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幾度となく、多くの監督たちが映像化してきたメアリシェリーの古典を
ギレルモ・デル・トロ監督も映像化。
原作に忠実でありながらも、服装などには現代的な要素も取り入れた作品となっている。
キャラクターたちには、テーマカラーを与え、人物像を際立たせている。
グラスゴー大聖堂で撮影されたシーンは非常に美しく、ゴシック様式な教会内部が映像にさらなる深みを与えている。それはセットでは表現することができない、経年劣化した歴史的建築物だけが出せる特有の味わいといえるだろう。
造形美が美しい監督の作品だけに、どのシーンも素晴らしいのだが、特に気に入ったシーンがいくつかある。
1つは親子の関係性だ。この映画の重要なテーマの1つに母と子の関係性がある。子ども時代のヴィクターと母の関係は、彼の人生に大きな影響を与えている。母の死ときっかけに生まれた弟との関係も重要だが、なにより母との思い出は強烈だ。
母親に与えられていたテーマカラーは赤だ。燃えるような情熱の赤。生命であり、温かみである赤。もし、ヴィクターが幼少期に母を亡くさなければ、あのような怪物を生み出すヴィクターは生まれなかったかもしれない。
個人的にもっとも好きなシーンが、母と父の葬式の場面だ。母の葬式は色彩豊かであるのに対して、父の葬式は暗く、無機質だった。この母と父の葬式の対比が、ヴィクターの心理描写を良く表現していると思う。
さらに、この作品で忘れていけないのが大天使ミカエルの存在だ。物語の内面の葛藤を、大天使ミカエルの存在を通じて巧みに表している。映画の大天使ミカエルは、幼きヴィクターを導く存在だ。特に母の死後、神格化されて絶大な影響を与えるのだ。
炎に包まれた大天使ミカエルの幻影を見るシーンは、非常に印象的だ。本来、大天使ミカエルは、悪魔ルシファーと戦う天使として有名であり、守護天使として正義であり、勝利の象徴である。その大天使ミカエルが、この映像の中では破滅を象徴するものとして描かれていた。
もちろん、最も忘れていけない存在はヴィクターが生み出したモンスターではあるのだが、それについては語る必要はないだろう。
映画の中ではヴィクターの母親の役がクレールと、ヴィクターの弟と婚約するエリザベスを演じるのは同一人物だ。これはなかなか興味深い。
フランケンシュタインばかりが取り上げられる中、実は一度も彼女の他の作品を読んできていないことに気が付いた。今回を機に他の作品も読んでみようかと思う。
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